突然の別れ

朝一番の日課。すだれを上げて「もずくんオハヨ!」



「・・・」だ〜れもいない!!(ガーン)



もず一族の無断外泊だ。。



昨日、夕方になって飛行訓練が始まっていた。



兄さんもずだけかと思ったら一斉に始めていた。



お母さんがブロック塀の上で呼んでいる。



1羽がようやく、隣の枝に移ったものの、飛び立つ勇気が



出ないのか、枝でゆらゆら揺れていた。



お父さんは巣にいる三羽を巣から出るよう誘導中。



暗くなりそうな時に始めて帰って来れるのかしら?



鳥は暗くなると見えなくなるんじゃなかったっけ。



チチチチ・・と親鳥の鳴く声が、隣の家の木から聞こえる。



厳しい特訓が開始された。



「家族のご飯作らなきゃ」と思いつつ



双眼鏡とカメラを持って慌てて追いかけるきくしゃん。



しばらく、ついて見ていたものの巣に帰る様子がないので諦めた。



明日の朝には巣に帰っているだろうと思って。。。



しかし、いったん、巣から出ると鳥って帰って来ないんだ。



思いがけない別れにショック!!



外に出て耳をすますと、親鳥の声がする。



いるいる。ほっとした。



またまた、双眼鏡を取り出し、声のする方を見る。



あっ!!子ども達が虫をくわえている。



すご〜い!一日にしてこんなに成長するなんて!!



巣立ちの淋しさと鳥達の逞しさに感動して、



きくしゃんのお役目もあっけなく終了してしまった。



だ〜れも居なくなった巣を、何度も見てしまう癖は



しばらく、続きそうである。