霧の彼方へ。。
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夕刻、母サダコに会いに行った。
この時期になると、施設では感染予防の為、
入り口で手の消毒とマスクの着用が厳しくなる。
1Fの事務室に面会を申し出ると、2Fから車椅子を押してロビーまで連れて来て下さる。
面会の要領が変更されたことを知らないサダコが、
「誰が来たんでしょうか?」と言いながらやって来た。
「きくしゃんか〜。そんなら部屋に来ればいいのに〜。」と言ったので、
「〇$×△▼これこれしかじか。。」と説明をするものの
サダコは「はぁ???」と言うばかり。
マスクをかけたきくしゃんが何度言っても聞こえない
とうとう、マスクを外して説明。
これじゃ、何の為にマスクをしているのか分からないなぁ。。(笑)
係りの方が来られて、サダコについての説明があった。
少しだが、3度のご飯を減らしたものの、
体重は減るどころか少し増えているとの事。。あっちゃ〜!\(◎o◎)/!
サダコに効果が見えればきくしゃんもやってみようと思っていたがダメな事が判明。
「さらに、おやつまで減すとなると、何だか可哀想だしなぁ。。」とモゴモゴ言っていると。。
係りの方が「とっても、お元気ですしね。少し、運動を工夫してみましょう」
と言って下さったので安心した。
帰って夫に言うと
「おやつの饅頭減らしたからって、10年も20年も生きられる訳じゃないんだから
好きなもの食べさせてあげた方がいいんじゃないか?」って言ったので、
きくしゃんは
「おやつのお饅頭食べたって、10年も20年も生きるから大丈夫よ」って答えた。(笑)
きくしゃんが嫁いで30年以上、
毎年、個性的な字で年賀状を送って来たサダコが
「きくしゃんの住所、忘れたから自分で書いて。」と言って
宛名書きがされていない葉書を1枚台の上に置いた。
正直ショックだった
こうして少しずつ記憶がなくなっていくのかな。。
今朝はこちらでも深い霧がかかっていた。。
ぼんやりと見える、いつもの風景。
サダコの記憶もこんな感じなのかなぁ?
霧は時間と共に晴れていく
「サダコもきっと!大丈夫」そう、自分に言い聞かせた。。